Revitでは、あるプロジェクトのモデルを別プロジェクトに丸ごと取り込みたい場合、
「リンク＋バインド」という方法があります。
これは、移行元プロジェクトをリンクとして読み込み、バインド（結合）して取り込む手法です。
ただし、便利な反面、不具合や手直しが発生しやすい方法でもあります。
この記事では、手順と注意点をまとめました。
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1. リンク＋バインドの基本手順
- 移行元プロジェクトをリンクとして挿入
- ［挿入］タブ → ［Revitリンク］で元プロジェクト（.rvt）を配置
- リンクをバインド
- リンクを選択 → 右クリック → 「バインド」を選択
- 「バインド」はモデル要素をまとめて新しいプロジェクトに取り込む処理です
- バインド設定を確認
- 「レベル・グリッド」「モデル要素」を含めるか選択
- 必要に応じて「グループを解除」して個別編集可能に
2. バインドのメリット
- プロジェクト全体をまとめて移行できる
- 階層構造や座標を保ったまま取り込める
- コピペよりも大量データを安定して移せる
3. バインドで起こりやすい不具合
① ファミリ・タイプパラメータの不整合
- 同名ファミリでも内部IDが異なると別ファミリ扱いになり、
タイプパラメータや設定がリセットされることがあります。
② 共有パラメータの消失
- 元と先のプロジェクトで共有パラメータファイルが異なる場合、
タグやスケジュールが空欄になることがあります。
③ インスタンスパラメータのリセット
- バインド後、要素IDが変わるため、個別設定した値がデフォルトに戻る場合があります。
④ ホスト付き要素の参照切れ
- 壁・床・天井にホストされた要素は、バインド後にホスト情報が消え、
空中に浮いたり表示されなくなったりすることがあります。
⑤ レベル・グリッドの重複
- 同名のレベルやグリッドがあると、自動で複製されるため、ビューや寸法に影響が出ることがあります。
⑥ ビューやテンプレートは移行されない
- バインドではビューや注釈設定、テンプレートは引き継がれません。
- 必要に応じて「プロジェクト転送」で設定だけ別途移行する必要があります。
4. バインドの安全な使い方
- 部分移行ではなく、元データ丸ごと取り込みたい場合に限定
- バインド後に不要なレベルやグリッド、グループを整理する
- 共有パラメータやファミリを事前に統一しておく
- ホスト付き要素やスケッチベース要素は、コピペで移行する方が安全
5. まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| メリット | プロジェクト全体をまとめて取り込める、階層構造・座標保持 |
| デメリット | ファミリ・パラメータ不整合、ホスト切れ、ビューは移行されない |
| 実務向け | 元データ丸ごと移行したい場合のみ使用、部分移行はコピペやプロジェクト転送で対応 |
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