Revitで室名や面積を管理する際に欠かせないのが「部屋」ファミリです。建築設計や数量拾いの段階で必ず登場する要素ですが、いざ配置しようとすると「部屋が置けない」「表示されない」といった壁にぶつかることも少なくありません。ここでは、基本的な部屋の配置方法と、つまずきやすいポイントを整理してご紹介します。
index
部屋の配置方法(基本の流れ)
- 平面ビューを開く
部屋は基本的に平面ビュー上で配置します。建築タブ → 「部屋」をクリック。 - 部屋を配置する位置をクリック
部屋境界(壁や部屋境界線)で囲まれたエリアをクリックすると部屋が配置されます。
→ 境界が閉じていないと「部屋を配置できません」と警告が出ます。
部屋配置の注意点
1. 壁や境界線が必須
部屋は「境界」で囲まれた領域にしか配置できません。壁、床、部屋境界線などで閉じていないと配置ができないため、まずは空間を閉じることが大前提です。
2. 部屋境界線の入力方法
壁で囲えない部分や、意図的に部屋を区切りたいときには「部屋境界線」を使います。
- 操作手順
- [建築]タブ → [部屋とエリア]パネル → 「部屋境界線」を選択
- スケッチモードで線を描き、閉じたループを作成
- 完了すると、その線が部屋境界として機能します
- ポイント
- 部屋境界線は「部屋境界線カテゴリ」に属するため、表示/非表示の設定(VG)でオン・オフを切り替えられます
- 物理的な壁がなくても、図面上だけ部屋を分けたいときに便利です
3. 表示/高さの調整が必要
部屋は「ただ置けば見える」わけではなく、ビュー設定や高さ情報に依存します。
- 表示/グラフィックの設定
部屋や部屋境界線カテゴリが非表示になっていると、配置しても画面上に見えません。
→ [表示/グラフィックス(VG)] で「部屋」の「パターン塗り潰し」「参照」「色塗り潰し」にチェックを入れると部屋の領域が表示されます。「線分」の「<部屋を分割>」にチェックを入れると、部屋境界線が表示されます。
※3Dビューでは部屋を表示させることができません。 - 高さとビュー範囲の関係
部屋には高さ方向のパラメータ(上限・下限レベル)があり、ビュー範囲から外れると表示されません。
→ 部屋の断面を作成し、[表示/グラフィックス(VG)] を平面ビューと同じように設定すると部屋の高さを確認することができます。
まとめ
Revitで部屋を配置するには、
- 境界が閉じていること
- 部屋境界線を使って意図的に仕切れること
- 表示/グラフィック設定を確認すること
- 部屋の高さとビュー範囲を調整すること
この4点を押さえれば、部屋の配置や表示に関するトラブルの多くは解決できます。
部屋ファミリは、単なる「空間の名前付け」以上に、面積算定や数量拾い、そして図面表現の基礎となる重要な要素です。正しく配置して、プロジェクトをスムーズに進めましょう。