【Column】パソコンやスマホ画面のブルーライト、本当に目に悪い?

デスクワークで毎日何時間もパソコンとにらめっこしていませんか?
スマホもついついずっと見てしまうことが多いですね。

長時間の作業や夢中になって「目がしょぼしょぼする」「なんだか疲れやすい」と感じたとき、
多くの人がまず思い浮かべるのが「ブルーライトってやっぱり目に悪いのでは?」という疑問。

ブルーライトの正体と、最近の研究でわかってきたことで「悪者にされがちだけど、冷静に考えよう」
という内容です。

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そもそもブルーライトってなに?

ブルーライト(青色光)とは、波長が380〜500nmの可視光線の一種で、
スマホ・パソコン・LED照明などに多く含まれています。

特徴は以下の2点:

  • エネルギーが高く、目の奥(網膜)にまで届く
  • 体内時計(概日リズム)や睡眠に関係するとされている

こうした特徴から、「目や睡眠への影響があるのでは」と言われるようになりました。

【最近の研究①】ブルーライトが目に“直接的”に悪いという証拠は少ない

▶ 結論:長時間の画面使用による目の疲れ=“画面の見すぎ”が主因

  • アメリカ眼科学会(AAO)や日本眼科学会も、
    「ブルーライトが直接的に目を傷つけるという明確な証拠はない」としています。
  • 多くの目の疲れは、「ドライアイ」「まばたき減少」「画面との距離や姿勢」といった
    行動習慣によるものがほとんど。

つまり、目の疲れの原因はブルーライトそのものではなく、長時間の集中作業が主な原因というのが現状です。

【最近の研究②】ブルーライトと睡眠の関係は?

▶ 結論:夜間のブルーライトは、睡眠の質を下げる可能性がある

  • ブルーライトはメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を抑える働きがあるとされており、
    特に「就寝2時間前の画面使用」は、眠りに影響を及ぼす可能性があります。
  • スマホやパソコンを寝る直前まで使うと、眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなる人もいます。

そのため、ブルーライトカットメガネやナイトモードは、
「目の保護」ではなく「睡眠サポート」としては一定の意味があります。

【最近の研究③】ブルーライトカットメガネは本当に効果がある?

▶ 結論:視覚的疲労軽減には“気休め程度”だが、心理的安心感はあり

  • 多くの製品はカット率が20〜40%程度であり、目の疲れそのものを大きく軽減する科学的な根拠は限定的です。
  • ただし、心理的な「目を守っている感覚」があることで、作業ストレスが軽減されたという報告も。

【実用的な対策】疲れ目を防ぐにはどうしたらいい?

ブルーライト対策よりも、下記の視環境の最適化が重要です。

  • 20-20-20ルール:20分に1回、20フィート(約6m)先を20秒見る
  • ディスプレイの高さと距離を調整(目線よりやや下に)
  • 照明の明るさを適切に(画面より明るい環境がベター)
  • 加湿や目薬などを活用してドライアイ予防
  • 画面のナイトモード/ダークモードを活用

【まとめ】ブルーライトは「悪者」にしすぎないことが大事

ブルーライトに対する誤解は多いですが、最新の研究では「必要以上に恐れることはない」という見解が主流です。
むしろ、日々の作業環境や習慣を見直すことの方が、目の健康にはよっぽど効果的のようです。

とはいえ、夜のブルーライト対策は「睡眠の質」のために検討の価値あり。
特に、スマホを手放せない夜型になる人にはおすすめです。
寝る2時間前はスマホを見ないように心がけてみましょう。

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