意外と知られていない?大規模建築の分割図を作成すときに重宝する従属ビューの複製機能の紹介です。
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「従属ビューを適用(Apply Dependent Views)」とは?
🔍 概要
- これは 複数のビューに対して、既存の従属ビュー構造(クロップやスコープボックス設定)を一括で複製・適用する機能です。
- つまり、「ビュー A にはすでに従属ビューがある → 同じような構成をビュー B, C にもコピーしたい」ときに使います。
🧭 使用シーンの例
たとえば:
- 1階、2階、3階それぞれに平面図ビューがある
- 「1階」には「1階 – 北」「1階 – 南」という従属ビューがある
- 「Apply Dependent Views」を使うと、1階で作った従属ビューの分割パターンを、2階・3階にも同じようにコピーできます!
🛠 操作方法
- 「従属ビューの構造があるビュー(例:1階)」を右クリック
- 「従属ビューを適用(Apply Dependent Views)」を選択
- 適用対象とする他のビュー(例:2階、3階)を選ぶ
- OKを押すと、同じ構成の従属ビューが対象ビューにも自動生成される
🎯 特徴と注意点
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 従属ビューの構造・レイアウトを他のビューにコピーする |
コピーされる内容 | クロップ領域・ビュー数・名前のパターンなど |
コピーされないもの | 注釈、タグ、寸法などビュー固有の情報 |
対応ビュー | 主に平面ビューや天井伏図など。立面や3Dでは使用不可 |
💡 活用のコツ
- マルチ階の建物で各階に似た分割が必要なときは非常に便利!
- スコープボックスでクロップを管理しておくと、さらに効率的
❌ 「従属ビューを適用」でエラーになる主な原因
① 対象ビューのビュータイプが一致していない
- ✅ OKな例:1階・2階・3階 すべてが「建築平面図」
- ❌ NGな例:1階が「建築平面図」、2階が「構造平面図」
▶ 従属ビューの構造をコピーするには、同じ「ビュータイプ」である必要があります。
② 対象ビューにすでに従属ビューが存在している
- すでに「2階 – 北」などの従属ビューが存在している場合、名前や構成が重複し、作成できないか競合エラーになります。
🛠 解決策:適用前に既存の従属ビューを削除するか、リネームしてから再適用
③ 元ビューに適用する従属ビューのクロップ領域がスコープボックス等で制限されている
- クロップ領域がスコープボックスで制御されていて、他のビューと共有できない場合、適用時にエラー
🛠 解決策:対象ビューに同じスコープボックスを割り当ててから実行
④ 元ビューの従属ビューの数が多すぎる/名前が長すぎる
- Revitはビュー名に制限があるため、たとえば「3階 – 北東側クロップビュー」などの長い名前がすでにあると、命名失敗でエラー
🛠 解決策:ビュー名を短く/命名ルールを整理する
⑤ 対象ビューがテンプレートビュー、または詳細ビュー
- 「ビュー テンプレート(View Template)」や「詳細ビュー(Detail View)」などの特殊なビューには従属ビューは適用できません。
⑥ 元ビューが非対応ビュー(3Dビュー、立面ビューなど)
- 従属ビューの機能は主に:
- 平面図(Floor Plan)
- 天井伏図(Ceiling Plan)
でしか使用できません。
🔎 エラーを避けるためのチェックリスト
チェック項目 | 内容 |
---|---|
✔ ビュータイプが一致しているか | 例:すべて「建築平面図」など |
✔ 対象ビューに既存の従属ビューがないか | あれば削除・名前変更 |
✔ スコープボックスの割り当てが同じか | 違うとクロップ範囲エラーになる |
✔ ビュー名が長すぎないか | 自動命名エラーを防ぐ |
✔ 選択したビューが正しい種類か | 3Dビューやテンプレートでは不可 |